「戦略」とは、簡単に言うと、「現状」と「あるべき姿」のGAPを埋めるための方策です。「事業戦略」には、その目的、状況に応じて様々な手法が適用できます。例えば、①製品と市場のマトリクス分析を行う成長戦略、②ターゲットによって、「差別化」、「コストリーダーシップ」、「集中」を使い分ける競争戦略、③製品をそのライフサイクルに応じて、4つのカテゴリー(「問題児」、「花形」、「金のなる木」、「負け犬」)に分類して、事業展開を考えるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)などがあります。
ここでは、一番オーソドックスで、マーケティング戦略を立てる際に利用される4P戦略について解説していきたいと思います。
4P戦略は、「製品(Product)」、「価格(Price)」、「チャネル(Place)」、「販促(Promotion)」の4つの「P」の要素からマーケティング戦略を考えていくフレームワークです。
例えば、電気自動車の「テスラ」を例にすると、下図で示したように、「製品」についてはCO2排出ゼロ、最速の加速、自動運転、安全性、洗練されたデザインなど、「価格」についてはバリュープライシング(提供価値による価格設定)、「チャネル」については、ネット販売、「販促」については、D2C企業のため宣伝広告費ゼロなどの戦略をあげることができます。自動車会社というより、ソフトウェア会社のマーケティング戦略に似ていると言えます。
ご参考までに、筆者の著書「超図解!新規事業立ち上げ入門」(幻冬舎刊)で紹介した「事業戦略」パートの抜粋連載記事を以下に転載させて頂きます。
[連載]新事業を成功させる「事業戦略」の作り込み方
- 【第1回】 企業の商品・サービスを宣伝・販売するための「4P戦略」 2017/08/28
- 【第2回】 消費者のニーズとウォンツを満足させる「製品戦略」の概要 2017/08/29
- 【第3回】 新規事業の成否に影響・・・製品の「価格戦略」の重要性 2017/09/03
- 【第4回】 製品の販売網・流通網を構築するための「チャネル戦略」 2017/09/10
- 【第5回】 顧客の購買行動を促す「プロモーション戦略」の概要 2017/09/11
- 【第6回】 事業の成長戦略策定に生かしたい「成長マトリックス」の概要 2017/09/14
- 【第7回】 競合に打ち勝つための「ポーターの競争戦略」とは? 2017/09/15
- 【第8回】 戦略目標を策定する経営・管理手法「PPM」の概要 2017/09/17
- 【第9回】 新規事業成功のカギを握る「PLC戦略」による顧客アプローチ 2017/09/19
- 【最終回】 ソフトウェア業界を例に考える「4P戦略」の策定 2017/09/22