最後のフェーズとなる【STEP7】では【STEP6】で立てた事業計画を年単位、月単位にブレイクダウンし、さらに週単位、日単位のアクションプラン(To-Do List)に落とし込みます。この際、各項目の評価ポイントとして数値化されたKPI指標を盛り込むことがポイントとなります。
そして、各メンバーの日々のアクションをチームとして週レベルでレビューし、進捗のチェック、改善点の確認、メンバー間の協力依頼等を確認し、必要に応じて、計画の軌道修正を行い、短いサイクルでPDCA (Plan – Do – Check – Action)を回していきます。
新規事業は不確定要素が多く、「小さな実験」(試行錯誤)の繰り返しにより正解を模索していくような忍耐力、実行力が求められているためです。
事業計画の実行フェーズとは、言い換えれば、新製品・サービスを、ターゲット顧客に対して営業していく段階と言えます。このような営業プロセスにおける進捗管理を効率的に行う手法として「案件パイプラインマネジメント」が知られています。その典型的なモデルを示すと、下図のような漏斗状のイメージになります。左から右に案件が各フェーズを進行し、クリアするごとに絞り込まれていき、最終段階に到達した案件が成約案件となります。
例えば、あるセミナーの参加企業が100社あったとします。その内30社が詳細説明を希望していれば、この30社をリード(成約確率10%)に昇格させます。さらに、営業に訪問させ、具体的検討に進む場合、これらのリードを案件(パイプライン;成約確率20%)化して、商談活動を進めます。(案件化の判断基準には、BANTチェックを用います(Budget(予算があるか)、Authority(キーマンに会えるか)、Needs(ニーズがあるか)、Timeline(購入時期が明確か)の4つのチェックポイントを確認して判断)。さらに進んで、このうち7社の見込み客から提案書のリクエスト(RFP)が出たら、案件ステージをチャレンジ(成約確率40%)に引き上げます。そして、この内、4社から最終候補として選ばれると、これらの案件ステージをコミット(成約確率70%)に昇格させます。そして最終的に契約条件を整えて3社から契約が取れるとクローズ(成約確率100%)となります。以上のような形で案件のパイプライン管理を行うことができます。近年はSFA(セールス・フォース・オートメーション)やCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)システムを使って運用する会社が多く見られます。